【1/7】なりゆき救援会「名古屋米領事館・白仮面事件」救援の経過報告
名古屋市の米国領事館の入ったビルに今年8月3日に侵入してビラをまいたとして、私たちの友人5人が
11月18日に逮捕されました。(飯塚沙織、首塚織部、突撃隊くん、室伏良平、ほか計5名)
この案件は事件から3ヶ月後に、東京も含む3県に別れて住む5人が同時に通常逮捕されるという事件であり、
デモ参加者や現場行動の逮捕によくある、現場での現行犯逮捕とはかなり違う形態のものでした。
当救援会が逮捕当日からすばやく対応できたのは、11月18日早朝、当会に「今うちに家宅捜索が着ました。あとの対応をお願いします」との電話が有り、その場で当人宅に向かい、本人が連れ去られた後に残されたご家族と話をして、本件容疑と逮捕された警察署が、早期に判明したことが大きかったと思います。
当救援会は、この日逮捕された5人全員に、ひとまず弁護士を派遣し、本人の意思と状況を確認しました。
5人のうち米領事館のある階の廊下に入ったのは3人、2人は外にいて入っていない、とのことでした。
またビラを持っていたのも3人のうち2人だった模様です。
逮捕勾留された5人は、愛知県内の離れた場所(中村、黒川、春日井、日進、岡崎)に分散留置され、その後の救援活動は困難なものにりなりました。
当初、5人全員が黙秘をしており、警察も「名古屋アナキズム研究会・突撃隊」というセクト集団による実行だとの疑いをもって捜査しており、5人が立ち寄っているバー(当救援会所在地)にも、その団体の実態解明を目的としたガサ入れがあるなどの大げさな捜査が行われました。
しかしながら「名古屋アナキズム研究会・突撃隊」というのは、実態としては個人のツイッターアカウントにすぎないものであり、「革命的名古屋アナキズム研究会」という団体も、月に一度、ガサ入れのあったバーで集まっている読書会にすぎないものでした。さらには、米領事館で行動した5人の中には、その読書会や突撃隊とは、全く関係ない人も複数含まれているという状態でした。
(組織実態の解明を目指したバーへのガサ入れでは、当日配布したビラと「名古屋アナキズム研究会突撃隊再編委員会」と書かれた個人(突撃隊くん)の名刺くらいしか、意味のあるものが出てきませんでした)
当初は「強固な意思統一と組織決定を共有しているセクト集団」という疑いを持っていた警察も、5人のうちの何名かが、黙秘をやめて顛末について話したことが原因か、アジトと目したバーのガサ入れが不発だったのかが原因かはわかりませんが、次第に調書からも団体名が消え、捜査も目標も組織実態の解明ではなく、現場での共同謀議の証明に移っていった模様です。
一方、外部の救援では、全員に接見禁止がついているので、弁護士を通じたやりとりしかできないのですが、
希望した当該のいる警察署には、差入れ、外での激励該宣行動、宅下げ受け取りなどの活動を展開しましたが、
当該それぞれが留置されている施設が地理的に離れており、肉体的な困難を伴う物になりました。
また、当該の中には警察・検察・米領事館にたいしての敵対的な活動や過剰な政治アピールを好まない人もおり、勾留されている施設の前以外では原則的に街宣活動はしないことになりました。
今回、救援活動と称して矢部史郎氏らが結成した「名古屋アメリカ領事館事件救援会」なるものも結成されましたが、(検察庁や米領事館への申し入れなども含まれる)彼らの動きは、逮捕された当該5人の意思とは全く関係のない(つまり本件とは無関係な)勝手なものであったと、ここに明示しておきます。
手続きとして2回目の勾留延長に入る直前に(勾留延長2回目は11/30)、室伏良平氏の友人らが立ち上げた「自称・救援会」が結成され、室伏氏の救援はそちらが担うことになりました。
また、当会の派遣する弁護士が選任されている飯塚氏も、自称・救援会と、当救援会の両者で支援していくことになりました。
この判断は、飯塚氏の意思もあるのですが、飯塚氏が逮捕者の中で一人だけ、遠方の東京の人であり、東京側で心配している職場やお知り合いのみなさんとの兼ね合いもあってのことと、当会は理解しています。(もちろん当会は飯塚氏の東京側の縁のある人たちとも協議して救援活動を継続しています)
その後、勾留期限の12/8に3人が釈放。内訳は、1人が略式起訴による罰金、2人が不起訴(起訴猶予)。
室伏、飯塚の2人は起訴となり勾留が継続され、接見禁止も解除。
起訴による勾留継続後も、当会は釈放された3人とともに、飯塚氏への支援活動を継続しました。
同時に3人が獄中で書いていた日記や獄中通信を整理して、今後の教訓にするための作業も開始しました。
飯塚氏は12/17、保釈申請が通り釈放されました。
保釈の情報は前日には弁護士を通じて救援会にもたらされていたので、自称・救援会の人たちにも声をかけて、一緒に迎えにいきました。
室伏氏も12/25、保釈申請が通り釈放されました。(こちらは事前情報がもたらされてはいなかった模様です)
2020年中に、5人全員が釈放されて、ひとまず救援活動は、ひと段落ついたのですが、
飯塚・室伏の2人は保釈中であり、裁判が残っているので、裁判の結果が終わるまで、活動は継続しています。
現時点までの弁護士費用などの諸経費は、お寄せいただいたカンパで全て支払い済みです。
しかしながら、起訴されてからの弁護士費用は、また別にかかるもので、それは裁判が終わってみないと総額としては結論が出ません。また罰金などになる場合も考えられ、その場合はまた出費が嵩みます。
当救援会は、カンパの呼びかけを継続しております。
今後のカンパは、主に飯塚氏の裁判費用のカンパ、今後当会で出版予定の「留置所ノート・名古屋編」へのカンパとなります。お志のある方は、下記までよろしくお願いします。
なりゆき救援会
460-0008 名古屋市中区栄四丁目13番18号 栄スパークビル5階D号 Queer+s 気付
080-4542-4532 カンパ受付先:東海 労働金庫 本店 営業部 普 4555018 ナリユキキュウエンクミアイ
また、このような弾圧にあいますと、弁護士費用だけでなく、本人達の失われた賃金の分なども損失として存在はしているので
(そこまでは当会ではカンパでは補いませんが)なにか本人たちにカンパしてあげるのは、よいことだとおもいます。
飯塚氏の従前からのお知り合いの方は、直接ご本人、あるいは東京方面の周辺の方にご相談頂くとスムーズかとおもいます。
*それぞれの方への本や現物などのカンパも、上記住所に送られた場合は、ご本人に転送するように致します。
*本事件では、中に入った3人+外に居た2人の合計5人が逮捕されており、当なりゆき救援会ではそのうちの3.5名(室伏以外の4名)を救援いたしました。
自称・救援会では1.5名(室伏+1名)救援しています。
なぜ0.5人と端数が出ているかといえば、5名のうち1名が東京の人であり、東京方面とも調整した結果、その1名は、なりゆき・自称の両救援会で共に支援することにしたためです。